boksado備忘録

『boksado』管理者、ミラノの物置です。

ども。

また古いボクサーの話で申し訳ないのですが、今回はジェームス・トニーについての備忘録です。

B1かな~A2かな~で揺れに揺れてどうしようもないので、ここは一つ真面目に検証して区切りをつけたいところ。


<参考動画>



JamesToneyBasic

まずは基本的な姿勢から。
トニーの場合、A2の軸が形成されているように見えます(みぞおち背面、前足膝背面、前足底)。

右ストレートを観てみましょう。

JamesToneyRightHand

ここではB1の軸(首付け根背面、奥足股関節、奥足底)も当てはまっていますが、まあこういうこともたまにあるということで。

トニーの得意技、ショルダーロールからの右カウンターを観てみると…

JamesToneyCounterRightHand

A2はバッチリ、B1は股関節が軸から外れました。
ほぼ確定でA2かな?

ワンツーも観てみましょう。

JamesToneyOneTwo1

ところで、トニーは多分利き足が左です。全体的に奥足のかかとをくっつけてる時間が長いかな。

JamesToneyOneTwo2

跳ねながらワイドな左フック。両膝とも軸から外れていますが、空中姿勢なので問題なし。

JamesToneyOneTwo3

そして右ストレート。体幹を曲げるのではなく、伸ばす打ち方。
しっかりA2の軸も成立しています。


ついでに彼のディフェンスも観てみましょう。

JamesToneyDefense1

Aタイプの分かりやすいところは、基本的に重心が寄る方で軸を作る特性です。

JamesToneyDefense2

ここから頭を上げて、

JamesToneyDefense3

やっぱり右かかとはつけたままですね。

JamesToneyDefense4


そして左足に軸を移して再びダッキング。


検証してみて思ったのですが、「このタイプではない理由」というのを静止画で解説するのが難しいと改めて感じました。
ジェームス・トニー、研究しがいがあります。

利き足が前にあるとボディワークをふんだんに使う傾向があるのは気のせいかな…次はクラレッサ・シールズあたりを検証してみようか。

そんなところです。

こんにちは。相変わらず絶望的な更新頻度で申し訳なさを感じています。

フォロワーさんからマーロン・スターリング、マーク・ブリーランド、ロイド・ハニガンについて確認してほしいという連絡がありまして。
彼ら三人はいずれもB1という予想でしたが僕の目から見ても多分合ってるということで、データベースに追加させていただいたわけですが。

曰く、マーロン・スターリングは他二人と比べて異質なものを感じるとか。
あらま、じゃあ本格的に観ていこうじゃない、ということで改めて検証した結果。

スターリングはA2でした…
そして観ていて似たような動きをしていたなぁと思い浮かんだのが、アズマー・ネルソン

ということで、下記備忘録になります。いや上も備忘録か。

(参考動画)
◆マーロン・スターリングvsロイド・ハニガン


◆アズマー・ネルソンvsジェフ・フェネック第2戦


まずはスターリングから。

右側の緑線は首付け根背面から奥足底までのB1を想定した線、左側はみぞおち背面から前足底までのA2を想定した線になります。
B1の線は途中で経由するべき右股関節が逸脱しているので、B1には高確率で該当しないと思われます。
逆にA2の線はドンピシャです。
starlingbasic

starlinglefthook

手書きの汚らしい矢印が入っていて申し訳ないです(元々は別のネタで使うつもりでした…)。
左フックを放つ時の様子ですが、Aタイプはほぼ例外なく打つ腕とは反対側の足で軸を形成します。
なので右足底、右膝背面、みぞおち背面を結んでみたわけですが、ばっちり線分が成立しました。


starlingrighthand

ストレートも問題なさそうです。ここでもB1を想定した軸を引いてみましたが、結局右股関節は線分上に乗りませんでした。


では、ネルソンを観ていきましょう。


nelsonbasic

せっかくなので同じようにB1とA2を想定した線分を引いてみました。やっぱり右股関節が乗らないですね。


nelsonlefthook
nelsonrighthand

左フック、右ストレートも同様でした。

nelsonrighthand2

右ストレートを別角度から。結果は変わらず。


まあ、静止画だけ観ていても分かりにくいとは思うので、同時視聴できる環境の方はぜひ上記の動画を見比べてみてください。結構似てると感じるはずです。

これは余談ですが、AタイプとBタイプでは下の画像のように全身での弧の描き方に違いが表れる印象があります。

b-acompare

Bタイプ(左側、ロイド・ハニガン)は奥足から首元にかけて、Aタイプは前足から首元にかけて、という感じで。
うまく言語化できません、はい。与太話と思って忘れてください。

こういう感じの記事を量産すればいいのかな?
相変わらずこのブログの方向性が定まりません笑

それでは~

※追記:やっぱりバークレーはA1でした。詳しくはYouTubeで動画解説します。


こんにちは、ミラノです。

9か月ぶりの更新で文章の書き方とか完全に忘れてしまったわけですが、いい加減放置しすぎも良くないし最近動画作るのめんどくさくなってきてるので、気晴らしにつらつら書いてみようと思います。

だいぶ前にアイラン・バークレーやエドゥアルド・トロヤノフスキーといった選手を取り上げては「これはA1だ!」とほざいていた僕ですが、すいません。

バークレーはB1、トロヤノフスキーはB2でした。

なんというか…昔の自分がどれだけいい加減だったか思い知らされて、僕が一番ショックを受けている次第です(笑)




※アイラン・バークレー:80~90年代に活躍した、アメリカの三階級制覇王者。元WBC世界ミドル級、IBF世界スーパーミドル級、WBA世界ライトヘビー級王座を獲得。トーマス・ハーンズを二度下し、ロベルト・デュラン、ジェームス・トニー、ナイジェル・ベン等往年の名選手たちと対戦。



※エドゥアルド・トロヤノフスキー:ロシア中南部オムスク出身の元IBF世界スーパーライト級王者。キックボクシング経験者でもある。2016年に小原佳太と対戦(2回KO勝利)。


なんで今更修正したのかについてですが、今月になって「支持足」の考え方を取り入れるようになったことで、分析精度が大きく向上したことがきっかけです(詳しくはYouTubeの動画をご参照ください。ひょっとするとブログ記事化するかも)。

延べ700名以上のボクサーを分析してきたわけですが、中には最後に見たのが1年以上前という選手も少なくありません。改めて見直してみようと思ったら、この体たらくですよ。

大規模修正は今後も続いていく可能性は高いです。あと5年経ったらほぼ全員変わってるかもしれません(笑)

そんなんじゃ精度もクソもないので、少なくともメイやパッキャオといった誰もが知ってる選手については間違っていないことを願うばかりです。

あと、トロヤノフスキーについては「A1はキックボクサー向き?」という記事で取り上げましたが、確かにキックボクシングにはA1タイプの選手が比較的多い印象です。でもそれほど極端にA1ばかりというわけでもなく、世の中いろんな選手がいることをここ2年くらいで思い知らされています。


うん、これぐらいの文章量だったらもう少しペース上げて書けそう。

ということを、一年くらい前も思っていた気がします。「継続は力なり」?いいえ、「継続はカなりめんどい」です(引用元:Twitterに載ってた画像)。

 こんにちは、ミラノです。

 はじめに、今年もお疲れさまでした。
 年末に更新ラッシュを仕掛けましたが、あれぐらいの内容なら結構いける気がしてきました。やるとは言ってません。



 壮絶な年でした。いろいろありました。いろいろありすぎてうまく思い出せません。
 今年は何だったのでしょうか。

 僕の中で、ボクシングに対する見方が大きく変わったように思います。高校1年の冬、KOシーン集を眺めまくっていたあの頃、僕は恐らくその瞬間を芸術的で破壊的なものとして見惚れているだけでした。

 やがてKOまでのプロセス、相手を置き去りにする技術などを知る中で、ボクシングが好きな自分を認識し、そのまま突っ走ってきたわけですが。

 人を殴るとはどういうことでしょうか。ボクシングとケンカは違うとどんなに言い張っても、相手を傷つけることに変わりはない。

 僕は争いなんて嫌いです。人の醜い部分が見える諍いなんて嫌いです。
 なのになぜ僕は好き好んでボクシングを観ているのでしょう?時にボッコボコに顔が腫れ、ざっくりと傷が開き、血まみれになるさまを、どうして目を逸らさず観ているのでしょう?

 ボクシングはスポーツです。勝利を渇望する者同士の一騎打ちです(例外はありますが)。
 人々はボクサーを応援し、熱狂します。僕だってそうです。

 しかし散々ボクシングにまつわる話を追っていれば、その暗い側面に気づかずにはいられません。

 ボロボロになっても頑張るボクサーを観て胸打たれるのは自然な感情だと思います。
 同時に、後遺症や死の問題は切っても切れないものです。僕が人としてボクシングを観るためには、これらについて考えずにはいられません。

 「リングの上で死ねるなら本望」。「古傷は戦士の名誉」。
 そういう価値観があってもいいとは思いますし、そう言えるだけの覚悟があってボクシングに打ち込める人もいるはずです。

 ならば、外野からそれを観させてもらっている僕は、彼らが無事に生き残り、かの世界から身を引いても幸せに生きていく未来に期待しなければなりません。そのための問題提起をしなければなりません。



 ボクシングは安易な気持ちで取り組んでいいスポーツではありません。ですが同時に、僕自身はもっとたくさんの人々に、ボクシングについて親しみを持ってほしいと願っています。
 そのための4スタンス理論を用いた独自研究を行い、その成果をブログやデータベースに載せています。

 4スタンス理論自体は少々難解であり、自分の体でアウトプット出来るようになるまで時間を要するものだと思います。
 しかしより安全に、より快適にボクシングをするためのアプローチ方法の一つとして、4スタンス理論から入ってみるのは有効なのではないか。そういう信念のもと、活動しております。

 ボクシングという競技が多角的な視点から理解されることを願ってやみません。



 かくしてブログやTwitterで情報発信をする匿名のアカウントは、どれほど無力でしょうか。
 無力だと自覚したとて、果たしてそれが歩みを止めるだけの理由と成りうるでしょうか。

 ボクシングに関わることがどういうことなのか。
 僕なりの考えを、来年も述べていけたらいいなと思います。

 最後に、僕の敬愛するバンド、amazarashiの歌詞を一部引用して締めたいと思います。
 毎年恒例になる気がします。

 それでは、よいお年をお迎えください。



  境界線の向こう側で 足掻く人々 嘆く人々 目にしながら
  沈黙することを選択するならば 僕らは共犯者 人たりえたのか

  存在価値はいつだって自分の中 個々に宿る銘々の色
  胸に抱いたなら 微かに灯る火が 最後の星空と どこか似ていたんだ

  amazarashi『境界線』より

 こんにちは、ミラノです。

 村田さんは「アマにもプロに負けないところはある」と言って憚らない。
 僕は大いに賛同します。特に今年の東京五輪ボクシング競技はマジで面白かった。「素人のボクシング」とは一体何なのか、考えさせられてしまいます←

 さて、今回は遥か昔、そんなアマチュアボクシングで、しかも東京五輪で頂点に輝いた男子ボクサーを紹介しましょう。


【桜井孝雄】

 これまた白黒のハイライト映像ですが、現在のボクシングでも充分に通用してしまうのではないでしょうか?
 理想的なサウスポーといっていいでしょう。

 そんな桜井孝雄は典型的なB2タイプです。
 軽やかなフットワーク、真っ直ぐ伸びる切れ味たっぷりのジャブ、バックステップからの左ボディ、右チェックフックから相手が下がるところを狙っての左ストレート。
 嗚呼、これぞボクシング!!

 2021年現在におけるB2サウスポーのハイエンドはクロフォードやロマチェンコなどが挙げられるわけですが、そもそもB2サウスポーって人種や国を問わず多い印象です。

 足底-股関節-首付け根を軸ポイントとして姿勢をつくり、
体前面を主動面とするB2のアクションは、サウスポーに求められる技術と親和性が高いとみられます。
 例えばフットワークは弧を描く傾向が強く、相手(オーソドックス)の外側へ回り込みやすい。右フックはBタイプらしくワイドに、そして脊椎横突起を軸として体幹を回すためB1以上にロングで繰り出すことが出来、踏み込む相手をいなしたり、距離を保ちながらカウンターを決めるのに最適です。

 相手にとっては、逃げ水を追わされているような気分でしょう。で、不用意に近づくと左ストレートが待っている。

 あれ?B2サウスポー最強じゃね?と思うかもしれません。
 最強になれるかは、その選手が如何に自分を理解し、いかに環境に適応できるかにかかっています。
 B2サウスポーは、自分の才覚に気づく条件が少し緩いだけなのかもしれません。これはリングの上で展開される人間の心理の傾向とも、それなりに関係がありそうです。

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