BOKSADO備忘録

管理人(白井ミラノ)によるメモ書き置き場。

カネロやライアン君を利き足右だと思っていけど、どうも違うらしい。
彼らがB2であることはほぼ間違いないと思うのだけど、左フックの打ち方についてはおおよそ利き足奥の選手に繰り出せるものではなさそうだ。

【レバーブローから】

サンダース戦で繰り出したいきなりの左ボディには驚かされたのをよく覚えている。これほど外旋回の軌道で、サンダースの右ひじを回り込むように打つのは利き足奥にはちと厳しいと感じる。
もちろん個人差はあると思うが、利き足奥のレバーブローというのは、もう少し内側から抉るように打ち込むものではないだろうか。

例えばベテルビエフのそれのように。

【基本的な構えから】
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おそらくB2という点で共通しているであろうカネロとベテルビエフには、構えの点で明確に違いがある。
奥足に体重を乗せ、ガードを八の字に掲げるベテルビエフに対し、カネロは両肘の真下に左脚が挟み込まれるように構える。

 以前、「はたくか、突き立てるか」という記事を書いたのだが、あれは一旦忘れてほしい()。ただ、選手によって拳の角度が変化するのは紛れもない事実だし、それがなんらかの法則に従って成立している可能性は否定できない。

【利き目についての考察】
 

ビボルもB2タイプと思われる選手だが、これまたカネロやベテルビエフとは毛色の違うボクサーファイターだ。 
動作の度に緩やかなサークリングを行い、踏み込みつつも一定の距離を保ちながら左右を浴びせる。

リングを広く使うという観点で、サークリングを駆使するのはジムで必ず教わると思うのだが、サークリングの展開の仕方にはこれまた個人差がある。
ビボルのようにジリジリと回る選手もいれば、それこそベテルビエフのように距離を取るべく左右へ大きく動く時にしか用いない選手もいる。ジャブを打つ時だけサークリングする、なんて選手も。

これらは少なくとも利き足と利き目に影響を受けているのではないかと、最近は考えている。

 こちらのサイトを参照してほしいのだが、人は利き目を基準に物体や景色を見ているという。
そのため、利き目の視界の中心に見たいものを合わせる傾向があるようだ(筆者は顕著に左目だった)。

ほんの数センチ、されど数センチ。人の視界の基準が利き目によって左右されるならば、それは全身運動にも確かな影響を与えるのではないか。

これが4スタンス理論上同じタイプであるはずのボクサーの動きに、バリエーションを持たせている。

という推察の段階に、今僕はいる。
また進展あれば、ここに報告します。 

メイのダッキング①
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ジャック・デンプシーのダッキング①
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メイのダッキング②
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デンプシーのダッキング②
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ショーン・ポーターのダッキング①
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ポーターのダッキング②
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フェリックス・アルバラードのダッキング
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ギレルモ・リゴンドウのダッキング
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パラレルタイプの方が背面主動の分、上半身全体が沈んでる感じがするね。
クロスタイプは首元が先行して沈んでる事が多いかも。
ちなみに上記は全員Aタイプ(と僕が推定してる)。つまりいずれも首元は可動ポイント。
それが背面にあるか、前面にあるかという話でした。

ども、ミラノです。

動画にかかりっきりでブログ更新サボりまくりでごめんなさい。

今回は何の話かというと…「ジムワークするようになって、4スタンス理論的分析に変化が生じた」といった具合の事です。

まあ、早い話が「B2だと思ってたけどA1でした」案件が大量発生したわけですけどね。



イスマエル・サラストレーナーに鍛え上げられた優秀な選手の多くがA1利き足前という話、どこかで聞いてはいたのですが、実際にジムワークで真似してみて「こりゃ無理だ」と思いました。
腕がもげる。こんなに違うのかって驚いた。

ただ、井岡さんはやっぱりB2なんですよね。あとリナレスも。



GGGもA1でした。一時期ロマゴンとの共演もやってたけど、結局二人ともA1利き足右のファイターでした。

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要はこういうことですね。B2だと肘を体幹からこんなに離した状態でジャブを安定して出せない。奥足で軸を形成する分、重心も後ろに寄ってないといけないわけです。



気持ち悪い強さで名を馳せることとなったクロフォードもA1ということに。

腕の主動イメージはボクシングにおける4スタンス理論で特に重要な要素です。当たり前だけど腕を振るのがメインの競技ですからね。
Bタイプなら押し手、Aタイプなら引き手です。
あらゆるAタイプに言える事ですが、Bタイプが真似すると恐ろしくへなちょこなパンチしか出せなくなります。あと前腕を痛める。

ところで、現状boksadoに登録されているアメリカの選手は116人ですが、タイプの内訳が
・A1タイプ31人
・A2タイプ25人
・B1タイプ26人
・B2タイプ34人
といった具合で、だいぶ競ってきています。若干クロスタイプが多い感じですが、僕自身B2なので同じB2タイプを見つけやすい(或いはB2と分析してるけどやっぱり違うタイプの可能性もある)傾向も表れているのかなと思います。
というか、A1めちゃたくさんいるじゃん。当初は一番少なかったのに。

はい、今日はそんな感じです。

そういや、動画は今週お休みになりそうです。直近の3連休で全く時間取れず…申し訳ない。

こんにちは、ミラノです。

今回はタイトルの通り、パンチはどう打てばいいのか?というのをはたくか、突き立てるかの二通りで考えて行きたいと思います。

いきなり答えを言ってしまうと、それは4スタンス理論上のタイプ及び利き足に左右されます。多分。

えぇ、自称1000人以上のボクサーの試合映像を観てきた僕が言うんだから恐らく合ってる←

 これについて解説するにあたり、最適な選手をピックアップいたします。



特に第4ラウンドの残り1:15あたりから見てほしいのですが、クロフォードがテクニカルスイッチを繰り返しながら様々なパンチを浴びせる中で、左右フックの打ち方の違いが顕著に表れています。

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左フックを打つ時、初期動作においてクロフォードの左拳は肘より下にあります。
ここから肘を水平にして腕を振るので、フックらしい軌道を描くことになります。

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反対に右フックを打つ時、初期動作においてクロフォードの右拳は肘より上にあります。
そして肘を畳みながら拳を叩きつけるので、はたくような見映えとなります。

どうしてこんな違いが出てくるのか?
その答えを恐らく出してくれているのが、改めて4スタンス理論と利き足、ということになります。

テレンス・クロフォードはB2タイプ、利き足は左です。

 左股関節に体幹を乗せた構えから、比較的大きな軌道を描いてフックやアッパーを浴びせ、柔軟な両膝とみぞおちによってレスリングにおいても高いバランス感覚でもって試合を支配します。

そんな彼の特性と上記の左右フックの打ち方の違いから考察できることは次のとおりです。


・B2タイプにおいて、利き足が奥にある場合ははたくような打ち方に、前にある場合は突き立てるような打ち方になる。 

 
じゃあ逆のパンチは?他のタイプでは?とか色々疑問が出てくると思いますが、記事がクソ長くなるので今回はここまで(というか慣れない執筆環境でこれ以上書く気になれません←)。

ダイジェストで書き留めておくと、Bタイプの利き足前は「突き立て」、利き足奥は「はたき」、Aタイプの利き足前は「はたき」、利き足奥は「突き立て」 になると考えています。

なんでそうなるんだろ?という深いところまでは突き詰められてないですが、ここ数日映像を眺めていてふと気づいたことなので研究の余地は大いにありそうです。


以上、駄文にお付き合いくださりありがとうございました。
ではではノシ 

どうも、ミラノです。

明日はカネロvsライダーですが、僕はお仕事につきリアタイは厳しい見込み。
しょうがないので、アンダーカードに出てくる注目選手とかを適当にピックアップしてみます。


🥊ベク・ヌルマガンベット(カザフスタン)

B2利き足右のサウスポーは、カザフの選手にとても多いタイプ。頭よく動くし、パンチはシャープだし。GGGの蒔いた種が、続々と育っていってるよな。特に右ジャブ、右フックは魔法のようなホーミングで、GGGっぽさを随所に感じる。
階級はスーパーミドル級。今最もホットな階級の一つなわけですが、ぼちぼちこの選手はトップ戦線に来るでしょう。


🥊アビルカーン・アマンクル(カザフスタン)

こちらもカザフの人。そしてB2利き足右のスイッチヒッター。
階級はミドル級。この辺りではアリムハヌリがキャリア面でリードしてるけど、正直大した差はないんじゃないかな。
ちなみにアマンクルは東京五輪銅メダリスト。この選手もまた間違いない。
カザフのボクサーってウズベクと比べて堅実だよね。ウズベクは派手に振り回す人が多い。


🥊リカルズ・ボロトニクス(ラトビア)

 ラトビアといえばブリエディス、というのが界隈での共通認識かも。でもボロトニクスもなかなかいい選手よ。
 映像はブアッツィに挑んだ試合。負けはしたけど攻撃面では油断ならない質の高さを見せつけた。
 多分B1利き足右。ファイタースタイルだけど下がりながらの左右カウンターが素早い。


🥊オレクサンドル・グヴォズディク(ウクライナ)

 グヴォジク、グボジーク?いろいろ読み方ありすぎて分からん。  
 B2利き足右の人で、体幹はほとんど常に左股関節に寄っている。
 ジャブに特別火力は無くて、基本的には右がメイン火力。ので、リターンが上手いボロトニクスには結構苦労させられる気がする。
 そもそもベテルビエフ戦から4年が経過して、齢も36。さび付き具合が気になる。


🥊ロナル・バティスタ(パナマ)

 レイ・マルティネスの対戦相手がこちら。映像は去年のもの。
 多分A1利き足左。んー、King(Rey)というよりTyrantなマルティネスのスイングにどこかで捕まってしまう予感は結構する。右ガードはしっかりしてるので、あとは左フックをもらわないよう細心の注意を図るのみ。
 基本的にはアウトボクシングで、A1特有の低いダッキング動作を多用してよける。上下の打ち分けもよく出来てるし、そつがない選手といった印象よね。


🥊ジョン・ライダー(イギリス)

 ごっつい体つきが目に付くアノ人。B2利き足右。なんか今回このタイプ多いね。
 カネロ並みに小柄な選手ゆえ、やはり見せ場はインサイド。でもゼロ距離だと手が出なくなるタチで(利き足が前に出てる人はこの傾向が強い)、頭を突き合わせる場面でのカネロの押し引きの上手さには置いてかれるかもなぁ。
 まあでも、手数で負けない事だね。


こんなところかな。
カネロもレイ・マルティネスもピックアップしない、超絶天邪鬼な記事の出来上がりです。
どうせマニアしか読まないし、別にいいよな。

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