どうも、ミラノです。

 大激闘の末、矢吹正道が劇的な勝利を収めた先日のWBCライトフライ級タイトルマッチ。
 僕の予想も劇的に外れまして、嫌味なしにうれしい限りです。

 ところで、そんな僕の予想の中でも特に外れたのが「拳四朗が戦法を変えなかったこと」。終盤こそラウンドこそ半ばジャブを捨てて自分から前進、連打で矢吹を何度も追い込みましたがこれにより消耗、矢吹による反撃でレバーが効いてしまいグロッキーになり、ラッシュを浴びてラウンド終了寸前にレフェリーが割って入る形となりました。

 矢吹は確かに恐ろしくパンチが切れており、低い姿勢でガードを高く、懐を深く構えるので距離を詰めにくい感覚はあったでしょうが、ジャブを何度狙われても出し続け、緩いガードの間を何度差し込まれても構えを変えず。ペドロ・ゲバラ戦のような地味だけど手堅いボクシングに切り替えることはありませんでした。
 個人的にはこれが最大の疑問点です。


 皆さん大好きGGGvsカネロをここで取り上げてみましょう。

 GGGはB2、カネロはB1。矢吹はB2、拳四朗はB1なので、それぞれ当てはめて考えてみましょう。
 どちらの試合においてもGGGが勝っていたのではないかという意見も多いですが、初戦はカネロの技巧が、第2戦はカネロの強打が随所で光る内容でもありました。






 B1の左ジャブに対してB2の右ストレート(オーバーハンド)は角度が良く、決まりやすい印象があります。
 第1戦の5ラウンド残り1分あたりで、また第2戦の10ラウンド残り1分40秒あたりで、GGGはカネロのジャブに対しきれいに右クロスを当てています。
 実際、矢吹も拳四朗のジャブに合わせて何度も右を狙い、拳四朗は対応に苦慮していました。
 ですから、拳四朗は矢吹に右を当てさせない、もしくは打たせないためにジャブを使わず、早い段階でボディに集める戦術をとるべきだったのではないかと思います。どのみち顔面のガードは強固でしたから、腹から崩せば矢吹の持ち味を封じることが出来たのではないでしょうか。



 いわくつきの選手ばっかりでごめんなさい()相手のJoel CordovaはB2です。
 フリオ・セサール・マルティネスは現在最もアクロバティックなB1ボクサーですが、パンチのほとんどが突き上げるタイプであり、且つ迎撃を主体とする戦い方です。この試合でもジャブでは戦わず、踏み込んでくる相手を起こすように連打で押し返し、最後は派手に左フックでダウンを奪い、KO決着に繋げました。

 ガードは高く固く、ジャブではなくボディから。
 再戦するなら、拳四朗はそういう戦い方に切り替えるべきだと思います。先日の試合もギリギリのところまで追い詰めたのですから。
 正直、あまりダイレクトリマッチって好きじゃないんですけどね…せめてワンクッション挟んでからやってほしいというか。
 どんなボクサーもいつまで現役を続けられるか分からないですから、いろんな選手と戦ってほしいのです。

 ちなみに、バッティングについては…あの日のレフェリーがたまたま緩かったのであって、選手に落ち度があったと考えるのは極力避けたいと考えたいところです。
 ただでさえ立場の弱い彼らですから。

 今回はこれくらいで終わりにしましょう。
 読んでくださり本当にありがとうございます。