boksado備忘録

『boksado』管理者、ミラノの物置です。

2019年11月

【試合内容】

 初回、フレーム差を活かして遠い距離からワンツーを打ち出し、形式的なイニシアティブを握ったマクレガー。ファルークはあまり手が出ず、踏み込むたびに飛んでくるリターンをさばくので精一杯。

 2回、上体を振りながら素早いステップイン/バックでジャブを打ち出し、距離が詰まったところで強振。下がると良くないとみたか、マクレガーは自ら前進して体格差を活かしたパワーボクシングで対抗。主導権を渡さなかった。ややクリンチの多い試合だが、高度な読み合いが展開されている。

 3回、依然として距離が遠いか。またボディワークは確かに優れているが完ぺきに躱しているとも言えず、守勢に回る時間が長いファルーク。ラウンド後半から距離が近くなるとようやく試合をリード。単発のダイナミックな攻撃は迫力があるが、マクレガーの押し相撲で寸断されがち。一方でマクレガーもゼロ距離からのボクシングの組み立てに乏しく、このままだとジリ貧か。

 4回、マクレガーの空振りが目立つ。巧みにボディショットを重ねてマクレガーを下がらせるファルークのラウンド。

 5回、ここでもファルークのボディショットが立て続けに決まる。下がり気味のマクレガーは手数こそ減っていないがやはり命中率が低い。顔面への被弾も少しずつ目立っている。

 6回、なんとかリングを広く使おうとしているマクレガーだが、ファルークを突き離せない。だがリング中央で組み合ってもファルークのボディショットを繰り返し被弾してしまう。時折強引にロープ際に詰める場面を作るが、ファルークは落ち着いてボディワークで捌く。

 7回、ファルークがインサイドへ潜り込んだところにアッパーで迎撃するマクレガー。おそらく陣営の指示だっただろうが、これも長続きせず、アングルチェンジであっさり対応されると真っ直ぐ下がらざるを得ない状況に。

 8回、ボディが効いてきたか、腕をだらんと下げてしまい顔面への被弾がかなり目立ったマクレガー。しかしファルークの強烈なレバーショットにも耐える根性もなかなかのものである。

 9回、マクレガーはとにかく下がっては迎撃して即クリンチを繰り返し、なんとかファルークをリズムに乗せまいと必死である。残り20秒当たりでマクレガーによる盛大なテイクダウンが発生。ファルークからも出血がみられた。

 10回、レフェリーの注意からスタートしたこのラウンド、ファルークの体力はなかなか落ちない。クリンチを無理やり引きはがしてさらに連打をまとめるなど、依然として攻勢を続けている。消極的なマクレガーに対しレフェリーがついにホールディングで減点1。すると一層苛烈な打ち合いが展開された。

 11回、マクレガーはできる限り下がらずに打ち合う。この期に及んでこのガスの吹かしようは驚くほかない。ファルークのカットもかなりの出血量だ。

 12回、非常にクリンチが多く膠着したラウンド。最後の2ラウンドはどちらについてもおかしくなかったが、全体的にはやはりファルークか。マクレガーは多くても取れたラウンドは5つだろう。また減点1も含めると2~3ポイント、僕的には5~7ポイントである。

 結果は114-113、113-114、115-112の2-1でリー・マクレガーが全勝をキープし、コモンウェルス及びBBBofC英国バンタム級統一タイトルを獲得した。


【試合数日前に発見したカード。両者の試合映像を観て好試合になると確信した】

 どうも、ミラノです。この僻地ブログにはそもそも需要がないので、皆さんが気にも留めないような試合を記事にすることがあります。今回はまさに「誰やそいつ?」という選手同士の試合についてです。

 先日グラスゴーで行われたMTK Grobal主催の興行のメインカードであったLee McGregor vs Ukashir Farooq。多分日本語表記するならリー・マクレガーvsウカシール・ファルークとなりますが、僕はこのカードを試合が行われる数日前に発見し、両者の過去の試合映像を観て間違いなく好試合になると予想しました。

 特にウカシール・ファルーク、こいつはこれから来るぞと一目で感じるほどの際立つセンスを感じたのです。

【ウカシール・ファルークというボクサー】

 ファルークはパキスタン出身ですが、現在はスコットランドのグラスゴーを拠点に活動しているプロボクサーです。

 キレッキレのボディワークで相手のパンチを悉く躱すさまからついたあだ名が'Untouchable'(アンタッチャブル)。boxrec上では165cmとバンタム級では標準的な体格ですが、その巧みなディフェンスから瞬く間に相手の懐へ飛び込み、強烈な左右フックで相手をねじ伏せるパワーファイターでもあります。

 とりわけボディショットの威力が凄まじく、戦績からはここ数年になって一気にパワーアップしてきたという成長ぶりが見て取れます。


【リー・マクレガーも良い選手だったが、インサイドでは終始上回られていた】

 対するリー・マクレガーも、長身且つ長いリーチを持て余さず、よくまとまったボクシングを展開できる選手です。

 強靭な脚力でプレッシャーをかけながらのカウンターボクシングも、中間距離以内での打ち合いでも強靭な脚力を活かしてコンパクトにフックを振り抜くこともできる選手です。どことなく同郷のジョシュ・テイラーと似通うところがありますね。


 しかし、ファルーク戦では思うように持ち味を活かしきれません。いかんせんファルークのディフェンスを前にリズムに乗れず、真っ直ぐ下がってはボディを何度も被弾してしまいます。

 相対的に腰高な選手がインファイトで対応するにはいつも以上に低い姿勢を作らなければならず、そこがジョシュ・テイラーとの差であるように感じます。

 試合はスプリットの判定でマクレガーによる薄氷の勝利となりましたが、今回の試合はお互いが今後当分負けることのない逸材であることを証明したと思います。

 マクレガーもテイラーばりにインファイトができるようになれば、間違いなく世界タイトルを獲得できる選手です。何せ耐久力がバンタム級のそれじゃない。

 そして彼以上に、僕はファルークに期待しているのです。今回は判定に泣かされましたが、完ぺきなウェイトの乗せ方を確立しているあの左右ボディフックに耐えられる選手はそうそういないでしょうし、ディフェンス能力の高さというもう一つの勝利のカギを握っているファルークなら間違いなく世界を獲れます。

【ブリティッシュ・ボクシングから見習うべきもの】

 ここからは半分ネタです。

 僕は一部の選手が展開するブリティッシュ・ボクシングが大好きです。インサイドにおけるプッシュダウンやホールディングさえ使いこなす戦いぶり、観衆も一体となって展開される心理戦。「それはボクシングなのか?」というところまで勝負に持ち込んでくる、勝ちに対する凄まじい意地汚さがたまりません。

 それは気合や根性に上乗せされた狡猾さです。彼らは常に沸騰するほどの興奮の中、よく頭を使って戦っているのです。

 ジョシュ・テイラーがレジス・プログレイスに勝てたのはなぜでしょう?

 ジョシュ・ウォーリントンがセルビー、フランプトン、ガラハッドと次々強豪を下したのはなぜでしょう?

 相手の良さを打ち消し、その中で最大限自分の見せ場を作る努力とは、試合ごとに論理的なチューンアップを行うことなのです。

 彼らにとって手段を選ばないというのは、付け焼刃の小技を並べて立ち向かうという意味ではありません。勝つために使えるものをかき集めた上で、それら全てを全力で鍛え上げ、磨き上げることなのです。

 そして何より、観客が圧倒的な熱量を持ち込むことなのです。


 ホームアドバンテージに関しては、うん、その。僕からはノーコメントです()

 こんにちは、ミラノです。

 先日行われた井上拓真vsノルディン・ウーバーリ。拓真は持ち味をいくつかの場面で見せたものの、全体的にペースを握ることができず、逆にウーバーリからダウンを奪われ判定0-3で敗れてしまいました。

 Twitterでの皆さんのご感想を伺う限り、「こんなもんじゃない」「化ける可能性があることを見せた」という意見も少なからず見受けられ、僕も同じような気持ちであります。

 しかし、プロで13戦をこなして今回の大舞台を迎えても尚、その灯火は大火へとなかなか変貌を遂げられていません。特に戦績からも見て取れる決定力のなさからは、「拓真にはパンチ力がない」という評価が現れても仕方がないでしょう。

 しかしです。これまで拓真が収めた3つのKO勝利は、相手陣営のギブアップではなく、全て彼の拳による決着であることを忘れてはいけません。何か特定の条件がそろった時、彼は恐るべき攻撃力を発揮するのです。

 今回はその根拠をウーバーリ戦の分析及び4スタンス理論を用いて説明していきたいと思います。如何せんろくに運動したこともない素人の意見ですが、面白半分に斜め読みしていただけるだけでも幸いです。

 以下、映像を観てリアルタイムで書き殴った試合展開の記録です。

【拓真vsウーバーリ】

初回、拓真のジャブが良い。ウーバーリは踏み込んでの左で距離感を図る。左回りの立ち上がり。

2回、拓真は下がりながらの右のリターンでポイントアウトを図るが、ウーバーリは脅威と感じていないよう。積極的に左を伸ばして理詰めを遂行する。お互い左回りで、奥側の拳を打ちたい。ウーバーリは右ボディを混ぜながら拓真にまっすぐ下がらせてパンチをまとめる。

3回、拓真はまっすぐ下がらされている。出入りに合わせた右アッパーや左フックで簡単に踏み込ませないよう工夫するが、イニシアティブを握れているとはいえない。左ボディから右フックのコンビネーションをそして低い姿勢からの左を被弾した。

4回、ウーバーリは右足のポジションもわずかに外側を常にキープしている。右のタイミングを読まれた拓真、ウーバーリの鮮やかな左でダウン。ややフラッシュだったか。

ここでスコアカード発表、本人はリードされていることに動揺したとコメントしているが、そう思っても仕方がないかもしれないと感じた。

5回、コーナーに下がったところで左ボディが一発決まる。少しおとなしくなったウーバーリ、しかし拓真は積極的に出られない。重心が高く、前に出る力がない。下がってロープ際にもたれることでバランスが崩れるのを防ぐことができるのである程度体重を乗せてパンチを打ち込めていたが。

6回、距離が遠いため拓真のパンチが当たらない。よくディフェンスをしているものの、それはウーバーリも同じ。膠着したラウンド。

7回、ウーバーリはコンビネーションや左ボディストレートで巧みに拓真を下がらせる。右を出す機会をうかがっているが、逆にウーバーリに踏み込まれる展開が続く。

8回、ロープ際から脱出してパンチをまとめる機会があったが、バックギアを意識しすぎたか、好打することはできず。相変わらずリング中央では腰が高く、前に誰らない。ロープ際に詰まる寸前での被弾が目立つ。一発だけ姿勢の整った左フックがみられた。

9回、左ボディを何度か好打。ウーバーリが下がりだすと、少しだけ攻勢を強めた。

10回、右の姿勢がやや改善されたが、依然として前のめりになりがちなのでそこから攻撃をまとめられない。

11回、なかなか積極的にパンチを出せない、まとめられない。歯がゆい展開が続く。ボディの攻撃が少ないのは、ウーバーリのガードが下がっているゆえか。

12回、打ち合いの中で左フックがクリーンヒット、頷きながら下がるウーバーリを追いかけるが、捕まえきれず。打ち返してきたウーバーリもさすが。

試合終了。僕的には117-110ウーバーリあたりが妥当かと。


【拓真が4スタンス理論でいうB1タイプであるといえる理由】

 早速4スタンス理論を使わせていただきますが、B1タイプで強力なストレートを持つ実力者は過去にも現在にも何名かいらっしゃいます。

 その中でも格別の破壊力を誇るのが、デオンテイ・ワイルダー、アドニス・スティーブンソン、ギレルモ・リゴンドウ、そして山中慎介です。

 彼らはリーチが長いので、半身に構えてリードブローを伸ばすだけで距離を作ることができます。そして鋭い踏み込みからのストレート、或いは相手に踏み込ませてのカウンターをぶち当て、KOの山を築いてきたわけです。

 しかし拓真の身体は胴が長くリーチが短いという、どちらかといえばファイタースタイルに傾倒すべき特徴を持っています。彼らと違って拓真は距離を潰すファイターでなければなりません。


 ここで今回のウーバーリ戦における構えと戦術を検証してみましょう。

 踵をつけ、上体を左斜め前に傾けるのが彼の基本的な構えです。そして、ジャブで距離を取りつつ遠い距離で右ストレートを点火、踏み込まれたらスパッと右ストレートを下がりながら伸ばすのが彼の基本的な戦術です。ついでに彼は右を振るのが好みなのか、相手が出てくるのを待ってジャブが出なくなり、真っ直ぐ下がってしまう悪癖があります。

 いかがでしょう。これだけで拓真には構え・戦術共に向いていないことがわかりますでしょうか。

 リーチの短い選手がワイルダーのように距離を取って戦うこと自体がそもそも無理があるというのに、奥側にある拳でぶちのめしたいがために頑張ってストレートを伸ばしたところで、現状の頭が前に出る構えではB1タイプ的に重心が前へ傾き過ぎてしまい、バランスをキープすることができないゆえ強く振り抜けませんし、そこからの追撃も困難なわけです。

 しかし、拓真はウーバーリ戦でもその隠されたパンチ力を確かに発揮しています。最終回に決めた左フックのカウンターは腰を落として右足を強く後ろへ蹴り出しながら両肩を入れ替えるように打ち出し、見事ウーバーリにたたらを踏ませました。

 また、過去に拓真がダウンを奪った試合のうち、フローイラン・サルダール戦は大いに参考になることでしょう。8ラウンドにアッパーを見せて体を起こさせつつ、自らは左にポジションをとって頭より右側へ振るった右ストレートでダウンを奪いましたが、上体を倒さず打ち抜いた直後に右脚が前に出た点も含め、B1タイプの特性がよく表れていたと思います。内山さんの右とソックリです。距離の作り方、ポジションの取り方次第ではリーチの短い選手もストレートで倒すことはできるのです。


【KODLABへ行くか、行かないか】

 確かに拓真には相手を効かせられるパンチを持っているのです。というか、僕個人の意見では倒せるパンチを打つことができない選手など一人もいません。パンチが弱いから当て逃げに徹するというのは、正直僕は感心しないのです。それは4スタンス理論に沿ったボクシングができていないだけだと言い張りたいです←

 先ほども書きましたが、拓真にはリーチがありません。それだけでなく、ナオヤ・イノウエのフィードバックタイプとしてファイトスタイルが強制されている影響か、その無理がある戦い方を敢行しているために肩に力が入り、パンチの伸びの悪さに拍車をかけているのです。

 内山高志という我らが誇るB1タイプの日本人ボクサーの代表がジムを開設したことで、その才能を開花させている選手は既に何人もいます。もう14戦こなして、兄貴には遠く及ばない迫力の戦いばかり重ねているのですから、そろそろ出向いてもいいはずです。今こそノックアウト・ダイナマイトに教えを乞う時なのです。

 どうせこんな記事は井上陣営の目に留まることもないでしょうが…笑

 ちなみに現在活躍しているボクサーで参考にするべきは、おそらくアルツール・ベテルビエフになります。比嘉くんも良いかもしれないけど、これまた少し体型が違うかな。


 とりあえず最低限やるべきなのは、現状の構えよりも軸を後ろに倒し、奥脚にしっかり体重を乗せ、その強靭な脚力で以って押し返しつつ、上体をダイナミックに振るイメージでパンチを放つということです。

 タッサーナ・サラパット戦の序盤なんかはそういう意味ではとても良かったんですけどね。あの試合もなぜか自然と兄貴のようなつま先に力が寄ったバランスの崩れやすい構えになっていってしまいました。

 とりあえず、モンスターの弟からモンスター2号へ進化する準備はすでに整っています。あれほど太い体幹を持つ選手が、こんなところで頭打ちになるわけがありません。

 同じB1タイプである筆者としても、今後に期待したいですね。

 こんにちは、ミラノです。

 いやぁ、凄かったですね。僕的にはライアン・ガルシアが最高のパフォーマンスを見せつけてくれたことで半ば満足してしまっていたのですが、カネロはカネロで見事でした。

 試合が始まってから分かったことを僕なりに分析しつつ、今回の試合の感想を述べたいと思います。


その1:ガードが超絶強固だった
 形容しがたいほどカネロのガードは頑強でした。コバレフの打撃がアルバレス初戦での不覚のKO負けを喫して以降安全運転を重視して軽いパンチのコンビネーションへ傾倒していたのももちろんそうですが、それにしたってナチュラルなライトヘビー級の、それも歴代指折りの強打の持ち主の攻撃をあそこまで防ぎきるとは。

 フィールディング戦でもあそこまで頑丈なガードは披露していませんでしたし、完全に想定していない要素でした。これに関してはお手上げです。恐れ入りました。


その2:スウェーバックからのリターンが強力だった
 これも想定以上でした。上体を引いてからの打ち終わり狙いの正確さはミゲール・コット戦あたりから明らかになっていましたが、今年5月のジェイコブス戦ではそれほど脅威ではない印象でした。減量から解放されて下半身に思う存分力を込めることができるようになったからなのかは分かりませんが、あそこまで強力なリターンを、それもコンビネーションで返してくるのは想定外でした。これでコバレフは迂闊にウェイト差を活かしたパワーボクシングができなくなったと言えます。

 後出しじゃんけんをするなら、ジェイコブス戦よりもフィールディング戦の方が下半身の粘り、キレは一段上でしたし、これはもしかしたら予想できる要素だったのかもしれません。

 あえてツッコませてもらうなら、「お前なんで今まで減量してたの?」ですが、キャリアを重ねていくにつれてノウハウが蓄積したのも大きいのでしょう。それにミドル級にはGGGという最大最強の不確定要素が存在してたからね。

 今ではカネロに見向きもされない扱いですが()

 あ、ちなみにここではドーピング云々についてはお話いたしません。面倒なので。


その3:B1タイプとして完成されていた
 言ってしまえばその1、その2と深く関わりのあるポイントですが、皆さん4スタンス理論についてはご存じでしょうか。多分この記事を読んでいる方は最低限名前だけでも見聞きしていると思います。
 僕の推測では、カネロ・アルバレスはB1タイプ。かかとの内側に足裏の基点箇所があり、体幹の部位を左右同士連動させる(要するに体幹を捻らない)という特長を持つタイプです。

 4スタンス理論とは、人間には最適な体の使い方というものがあり、それに適っていれば最小限のエネルギー消費で最大限のパワーを発揮することができるという優れものの理論です。

 ハイライトなりなんなりでカネロの構えを見てみてください。手を出さずにディフェン
スに徹する時を除いて、べた足且つそれほど前傾ではない(むしろ後傾だったりする)ことが分かります。上体を倒さない分ジャブのレンジはやや短いものの、かかと内側を基点に打ち出す左フックや右ストレートは完璧なウェイトの乗せ方です。

 姿勢を整えてからパンチを放つまでほぼノータイムというセッティングの素早さも目を見張りますが、これにもカラクリがあります。

 前傾からのスウェーバックによって4スタンス理論でいう軸-JIKU-が整えられ、瞬時に強力なリターンを返すことが可能となっているのです。


感想:カネロは大型版比嘉大吾と化した
 フットワークの代わりにディフェンスが強化されたバージョン、という印象です。あそこまで強靭且つ優れたバランス感覚の下半身を持つボクサーはワールドクラスでもそうそう見当たりません。

 お互いが自信を持って臨んだこの試合、終わってみれば策略にはまったのはコバレフの方でした。チームカネロの分析力の高さは実に天下一品です。

 ひょっとしたら、比嘉くんもこんな感じで意外とすんなり上の階級に順応するのかも…?なんて勘ぐってしまいます。彼の場合フットワークあってのファイタースタイルという側面もあるので安直に結び付けられない気もしますが。

 メキシコ系のB1タイプは是非ともチームカネロに指導してもらうべきです。僕の推測ではこのチームに身を寄せ、現時点でブイブイ言わせているセンセーショナルなファイターであるライアン・ガルシアやフリオ・セザール・マルティネスもB1タイプです。


 それにしても、4スタンス理論の重要性をまざまざと思い知らされる試合でありました。Twitterで申し上げた通り、日本のB1タイプの選手はKODLABへ行きましょう。絶対に一皮むけます。というか既に一皮むけている選手がいます。村田諒太です。

 でもやっぱり僕はライアン君の試合ばっかりヘビロテしてます。試合時間が短かったのもあるけど。


 ライアン君好き。大好き。何回言っても足りないや。

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