こんにちは、あけましておめでとうございます。ミラノです。

 三が日もとっくに過ぎておりますが、2021年最初の記事ということで…。


 表題の通り、キックボクサーはA1タイプ向けの競技かもねってことを書いてみます。

 もちろんピックアップする選手はプロボクサーですが、今回は元キックボクサーに絞って紹介します。

🥊エドゥアルド・トロヤノフスキー🥊

 まずはロシアの鷲、トロヤノフスキーです。
 日本でもWBSSスーパーライト級トーナメントでキリル・レリクと対戦し、2016年には小原圭太選手の挑戦を受けたことでそれなりに馴染みがあるかもしれません。

 当初彼をB1と観ていましたが、先日観直してみて他のB1ファイターとは違いがあるように感じました。

 手足の長いボクサーでB1タイプといえば、当ブログでも取り上げた名選手、トーマス・ハーンズが代表的です。


 いやー、似てますよね。でも右ストレートの伸び方、膝の使い方は特に異なります。

 ハーンズの右はやや腰が沈むのに対し、トロヤノフスキーは左膝のある方へ向かってギュンと全身が伸び上がります。

 一発効かせた後のラッシュも、トロヤノフスキーは突っ込みながらラッシュをかけるのに対し、ハーンズは一定の距離を保ちながらフック、アッパーの乱れ打ちで相手を仕留めます。

 A1タイプの特徴はつま先内側を基点につま先、膝、みぞおちで軸を作り、対角線上の股関節と肩を連動させた体幹の伸展で運動することです。

 キックボクシングには詳しくないのですが、お国柄関係なく元キックボクサーのプロボクサーは多くがこの特徴を持っています。キックの「基本」にはA1の要素が色濃く詰まっているようです。

 念のため言っておきますと、4スタンス理論上で競技の得意不得意が現れるとは限りません。単にキックボクシングのジムで教わる「基本」の多くが、A1タイプの特性に準拠している可能性が高いだけです。

🥊ディリアン・ホワイト🥊

 お次はヘビー級のボディスナッチャー、ディリアン・ホワイトです。

 ドーピングしたしてないでかなりグレーな選手ですが、そこはひとつ置いといて。

 くねくねしていてどこか不格好と感じる方も多いことでしょう(A1の特性というよりホワイトの特性?)、膝が基本的に固定されており、重心が高いように見えますね。

 A1タイプは膝が固定ポイントであり、股関節を柔軟に動かしてボディワークを展開するのです。

 ジョシュアもグラついた左フックはモーションが小さく、GGGのように外側から叩きつけるというよりは、内側から突き抜けるように打ち抜くものです。
 Aタイプのリズムはコンパクトなのです。

🥊アムナット・ルエンロエン🥊

 最後はムエタイ経験者からピックアップしてみましょう。ムエタイとキックボクシングが異なる格闘技であることはもちろん把握しておりますが、ムエタイもまたA1タイプが非常に多い競技だと考えています。

 アムナット・ルエンロエンと聞いてあの憎たらしいファイトスタイルを思い出し、歯ぎしりしてしまう方は結構いらっしゃると思います。

 高度な距離感とキレのあるジャブ、巧みなクリンチワークで徹底的に塩漬けするファイトスタイルですが、長いリーチも相まってかなり伸びる隙のない攻撃も持ち味です。

 この選手も当初はB1と判別していましたが、基本的な姿勢がやや前傾であること、左右フックを振り回した時にうねるようなリズムがあることから、A1タイプへ訂正しました。
 パラレルタイプ(A2/B1)であれば体幹の真ん中を軸に連打を発動しますが、アムナットの場合はその中心線を挟むように通る二本の軸を交互に使って次のパンチへ繋げるのです。


 というわけで今回は元キックボクサー(元ムエタイ選手)のプロボクサーに焦点を絞り、4スタンス理論上その多くはA1タイプであることを紹介しました。

 ここ最近A1タイプを取り扱ってばかりですが、なんとなくマイブームがA1なんですよね。当ブログ管理者の林ミラノはB2タイプなのですが、A1が羨ましくて仕方ないのです。

 だって、伸びるんですよ?ギューンて力みなくストレートが伸びるんです。こんなに羨ましい特性がありますか?

 そういうことです。
 それではノシ