BOKSADO備忘録

管理人(白井ミラノ)によるメモ書き置き場。

2023年03月

どうも、ミラノです。

今回はアメリカンを中心に見ていこうかな。
なんといってもボクシングの中心地、傾向はあれどいろんな選手が出てきます。

🥊リチー・ケイツ
・タイプ:B1
・利き足:右
 しょっぱなから初耳かもしれないですが、先日亡くなられたということで供養の気持ちも込めて。
 1970年代、WBAライトヘビー級タイトルを保持していたビクトル・ガリンデス(アルゼンチン)に二度挑んだ。ガリンデスは同タイトルを10連続防衛している。
 B1ファイターはB2と比べて、距離が詰まった状態でも正面からパンチを打ち続ける。また、左ボディはやや内側をえぐるように命中する。


🥊レジス・プログレイス
・タイプ:B2
・利き足:左

 最近、気づいたことがある。アメリカにはB2利き足左のサウスポーで優れた選手が多い。
 今までそういう選手はA2かB1だと思ってたんだけど、どうもそうではない。
 ガードを割る正面からのワンツー、外旋回の左右ボディと伸びのある右フック、そして反時計回りのゆったりとしたサークリングで絶妙な距離を保ち続ける。
 パッキャオみたいに脚を使いまくるのではなく、ダッキングやショルダーロールによる見切りディフェンスを駆使し、不用意なカウンターの被弾を避ける。
 こういうアメリカンボクシングのあり方に適したタイプとして、B2利き足左が挙げられるのかもしれない。


🥊ヘンリー・アームストロング
・タイプ:B2
・利き足:右
 超古いけど伝説の選手ということで紹介せずにはいられない。
 世界王座同時三階級制覇(当時の階級は8階級のみ)って、どうやったらそんなことになるん?
 典型的なスポーツ心臓だったそうで、そりゃこんなブルファイターになりますわな。
 最近ではガードを高く掲げたまま、腰を落としてダッキングするのをたまに見かける。当時のダッキングは首付け根-足底の線分上に両拳を添えながら、腰を引くように上体を倒してたわけだけど、この技術は未だに使われてる。


🥊マイケル・スピンクス
・タイプ:A1
・利き足:右
 スピンクス・ジンクスと呼ばれた右ストレートの火力、伸びは特別。
 似たようなボクシングをする選手にエリック・モラレスが挙げられるけど、彼と比べてバランス感覚ではやや遅れをとるものの、左フックのリターンが素早い。大きな軌道にならざるをえないB2に対して、A1のそれは本当にコンパクト。右を引き立てるための左がある。


🥊レオン・スピンクス
・タイプ:A1
・利き足:右
 やっぱり兄弟ってタイプが同じになりやすいんだろうな…つくづくマイケルと動きがよく似てるなって思う。


🥊コーリー・スピンクス
・タイプ:B2
・利き足:左
 じゃあ甥っ子のコーリー・スピンクスは?B2です、ハイ。
 サウスポーだしタイプも違うしで、近縁でもこうなるんだなぁ。


🥊ザブ・ジュダー
・タイプ:A2
・利き足:左
 
 ジュダーといえばその速さ。
 こんな真っ直ぐに踏み込んで伸びのあるワンツーが打てるのは、A2のなせる技とみえる。
 少なくともB2ならもう一癖ある動きになってしまう。
 あと、この人あんま反時計回りのサークリング使わないよね。詰められるだけ詰めたいって感じ。


🥊ケリー・パブリク
・タイプ:B2
・利き足:右
 ゴーストと恐れられたパブリク、その強みはぬるっと出てくる強打。
 あまり広背筋が発達していないけど、軸づくりの上手さで威力を補強してる。
 なんかこの選手もモラレスっぽい気がしてならないけど、モラレスもまたテリブレ(恐怖)の愛称がついてる。同系統といっていいよね、これ。


🥊ロイ・ジョーンズ・ジュニア
・タイプ:A2
・利き足:右
 オールタイム・パウンドフォーパウンドで確実に名前が上がる彼はA2、利き足左。
 手数がやや少ない傾向にあるのは待ちのスタイルゆえ。利き足が前にあるのでプレスがそもそも強くない。
 その代わりに圧倒的なスピード、A2ならではの全方位から正面を切り裂く多彩なブローで失点すら許さないボクシングを築き上げた。

🥊シュガー・レイ・ロビンソン
・タイプ:B1?
・利き足:右


 少なくとも、B2ではないんじゃないかな…という程度。今の見解は。
 あとコンビネーションとか特に顕著なんだけど、腕の外回転がほぼ起きてない気がする。
 いや、それにしても未だ色褪せることない美しさがある。当時は薄くてちっちゃなグローブでやってた分、ちょっとグロテスクにすら感じてしまうけど。


うん、まずはこんなところかな。
やっぱりアメリカのボクシングは楽しい。選手も資料も豊富ってのは大きいだろうけど。

どうも、ミラノです。


結構長い間、ライアン君はB1だと言い続けてきた僕ですが、最近になってB2ではないかと思うようになりました。

それに関連して、B1とB2を比較して表れる違いの内、結構顕著ではないかと思ったものを紹介します。

左ボディです。
比較対象はライアン君とロベルト・デュランです。どちらも多分利き足は右です。

RyanGarciaLeftHooktotheBody1

RobertoDuranLeftHooktotheBody1

何が言いたいかというと、両肩の延長線上の前後どちらでインパクトさせているかが異なるのです。

ライアン君の場合は背中側、デュランはお腹側で炸裂しています。

別のシーンも見てみましょう。

RyanGarciaLeftHooktotheBody2

RobertoDuranLeftHooktotheBody2

やっぱりライアン君は背中側、デュランはお腹側で拳が命中しています。

なぜこのような違いが表れるのか?

あくまでライアン君がB2利き足右、デュランがB1利き足右であることが正しいとしたうえでの推論ですが、次のように考えています。


B2の主動面は胸側です。そしてライアン君の左ボディは次のようなメカニズムで体を動かしています。

・左肩-右股関節間で体幹が背中側へ開いた状態から、元に戻すように収縮させる時のエネルギーを利用する
・腕を胸側の筋肉で引っ張り込むように振る
RyanGarciaLeftHooktotheBody3


これに対し、B1の主動面は背中側です。デュランによる左ボディのメカニズムは次の通りです。

・左肩-右股関節間で体幹を収縮させる
・腕を背中側の筋肉で押し込むように振る
RobertoDuranLeftHooktotheBody3



また、ライアン君の左ボディがはたくようなスイングになるのに対し、デュランは放り込むような軌道を描きます。B2の腕の初期動作が外回転であるのに対し、B1は内回転であることが関係していると思われます。


どうですかね…結構はっきりとした違いじゃないかと思い、またライアン君がB2たる根拠として有力かと思い、取り上げてみました。

他にも「これだ!」と思ったやつはピックアップしてみようかな。

どうも、山籠もりと海の家で修行を積み疲弊しきっているミラノです。

今回は中南米の選手を中心に何人かピックアップします。


🥊エデル・ジョフレ
・タイプ:A1
・利き足:右
 「黄金のバンタム」と名高いジョフレは、恐らく南米ボクシングの基礎を作り上げた選手と思う。
 彼のコンビネーションの破壊力は永遠の輝きを放つといっても過言ではない。いまだに通用するボクシングの一つ。


🥊アセリノ・フレイタス
・タイプ:A1
・利き足:右

 長いリーチを活かした左右の強打が最大の持ち味。
 フットワークやディフェンスに関してはまあ、その…なところはあるんだけど、ここまで攻撃に振りきってしっかり結果を残せたのだから、尖っていることも悪くないよね。


🥊ヒルベルト・セラーノ
・タイプ:B2
・利き足:左
 基本的に上体が起きていて、左アッパーカットを多用するこのボクシング、リカルド・ロペスとよく似ている。
 漏斗胸って肺活量が低下するといわれてるけど、だったらアウトボクシングすればいいじゃない。
 その人の持ち味を活かす事が大事なんだね。


🥊レオ・ガメス
・タイプ:A1
・利き足:右
 ガメスはA1だろうね。小さな体格を生かしつつ、異様に伸びる腕を武器に何度も日本人選手の挑戦をはねのけた。
 それにしても、ガメスが台頭する頃には日本のボクシングもずいぶん様変わりした。


🥊ホルヘ・リナレス
・タイプ:B2
・利き足:右
 B1だと思ってた。これB2じゃないかな?
 ベネズエラの良い選手は結構B2多いのかも。
 B2利き足右、圧倒的なハンドスピード、打たれ脆さ…ってそれライアン君やないかい!
 キャラが被るからレイノソは対戦を嫌がったのかな。


🥊ニコリノ・ローチェ
・タイプ:A1
・利き足:左
 キング・オブ・ディフェンスと讃えて然るべき存在。
 でもパンチのキレも結構良いよね。防御が上手いだけの人ではない。
 ダッキングする時の肘の位置に注目しよう。


🥊カルロス・モンソン
・タイプ:B2
・利き足:右
 華麗な見切りディフェンス、長いジャブ、ワンツーを武器に活躍し、今でもミドル級最強候補に挙げられるカルロス・モンソン。
 アルゼンチーナといえばディフェンスだが、その中でもモンソンのそれはスウェーバック主体。ガタイがいいからね。


🥊フェルナンド・マルティネス
・タイプ:A1
・利き足:右

 難攻不落と思われていたアンカハスをあっけなく下したあの人。
 一見B2なんだけど、アルゼンチーナらしくA1タイプのファイター。
 ミドルレンジ以内でドンドン攻めてくる選手だけど、防御もよくできてる。
 特に腰を素早く折りたたむダッキングはA1タイプの特徴をふんだんに活かしていると思う。
 余談だけど、世間一般でイメージされるダッキング動作ってAタイプの方がスムーズにできて、Bタイプになると膝を折って体幹をそのまま落とした方が素早いダッキングになると思う。股関節をピンニングしなきゃいけない分、上半身の動きにやや不自由があるよなぁ。
 アンカハスは迎撃で対抗するべきだったし、それが出来るだけのフットワークに欠けた。


🥊ロベルト・デュラン
・タイプ:B1
・利き足:右
 B1利き足右最強の一角。究極の攻防兼備を実現した選手の一人だと思う。
 ヘッドムーブ、パリング、素早いジャブ、クリンチワーク、左ボディ、ボディのコンビネーション、ワンツー、右アッパー、緩急のついた流れ。
 同じタイプの人、まずはこの人を真似るところからはじめよう。


🥊エウセビオ・ペドロサ
・タイプ:A1
・利き足:右
 パナマといえばこの人も紹介しておきたい。股を拡げながらの深いウィービング、柔らかなスウェーは見てて惚れ惚れする。
 左足に体重を置いてる分どっしりした構えではないのだけど、長身を活かしたジャブでイニシアチブを握り続けるボクシング。サモラに負けた頃とかはまだフットワークが大雑把だったんだけど、世界王座の防衛ロードに入ったころにはプレッシャーを使いこなせるようになった。


修行明けでだいぶ文章が雑な気がします。すみません。
次はどこを特集しようかな…或いは階級でまとめてみる?

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