boksado備忘録

『boksado』管理者、ミラノの物置です。

カテゴリ: ボクシング

こんにちは、ミラノです。年の瀬ですね。数字が一つ増えるだけなのに情緒を掻き立てられる不思議さがあります。

タイトルに書いてある通りですが、構える時に利き足が奥足となる場合、インファイトに長けたボクシングが発達するのではないかという話です。




エロール・スペンス・ジュニアは僕の見立てではA2タイプ、利き足は左です。
サウスポーって多くの場合はアウトボクシング主体になると思いますが、スペンスはゴリゴリのインファイターですよね。ジャブの出し方も変わっていて、ほとんど踏み出さずハイガードからにゅっと拳が伸びてきます。

強靭なフィジカルと素早いステップインを活かしたショーン・ポーターのボクシングに対してほとんどの場面で距離を取り続けたクロフォードとは対照的に、スペンスはほぼ真っ向勝負でポーターに競り勝ちました。




インファイトが大好きなサウスポーと言えばロマチェンコも代表的です。
利き足奥の選手は距離を詰めると滅法強いですが、それまでのプロセスに苦慮すると一気に苦しくなる欠点を抱えていることが多いように感じます。
実際、アウトボックスで挑んできたジャメイン・オルティスやテオフィモ・ロペスには手を焼きましたよね。


利き足左のサウスポーはそもそも絶対数が少ないと思われますが、こうしてPFPに名を連ねるような選手にも該当する場合があることを考えると、夢が広がりますね。
利き足左の方、ぜひサウスポー開拓に挑んでみてください。


こんにちは、ミラノです。

最近利き足・軸足の分析を頑張っているわけですが、どうやって見分けているのか?という質問をちょくちょくいただいたので、ここにメモ書き程度ですが一応残しておこうと思います。

①基本的な構えにおけるつま先・かかとの使い方

ぶっちゃけこれでほとんど決まると言っても過言ではありません。
オーソドックスで構えていると、利き足が右の人はつま先、左の人はかかとで奥足をキャンバスに押し付ける傾向にあります。

百聞は一見に如かず、実際に見てみましょう。

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クロフォードとオルティス、どちらも利き足は右です。奥足である右足はつま先で立っていますね。


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メイウェザーとライアン君、こちらは二人とも利き足が左です。右足をかかとまでべったりくっつけていますね。

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ちなみにクロフォードが左構えになると、このように奥足となる左足はがっつりかかとまでキャンバスにつけています。

ただし、ここからいろいろな動作をするにあたっては、両足のつま先とかかとを巧みに使い分ける必要がありそうです。
なのであくまで構えている「静」の状態において、この傾向が強まると捉えてください。


②利き足が前にあると奥側の半身が逃げやすい

思うに、利き足を前に置くボクサーはアウトボクシングに長けている場合が多い気がします。


なんでGGG?と思うかもしれませんが、利き足が左の彼はカネロ第2戦で見事なアウトボクシングを展開していました。カネロのプレッシャーに下がらされていたと解釈することも出来ますが…。

見ていると、右半身は右かかとを基準に動かしているのがなんとなく分かるかと思います。

右かかとをキャンバスにつけようとすると、右膝が伸びます。するとその力を逃がすために右股関節が時計回りに引っ張られます。

これが②の原理であると考えられます。

そしてその原理を最大限活用し、左フックをサンデーパンチに仕上げたボクサーが、ライアン・ガルシア君です。




美しい…!

ただし、奥側の半身が逃げやすいというのはやはり欠点になりうると思います。



この動画の後半に出てくるアルベルト・マチャドはB2、利き足は右と思われます。

序盤は右フックのカウンターで2度ダウンを奪うなど有利に展開していましたが、試合が進むにつれて左半身の逃げる傾向が強まり、最後は距離を詰められながらの左フックをピボット中に被弾、逆転KO負けを喫してしまいました。

身体が開きやすい分、隙も大きくなる。上手く付き合っていく必要があるみたいです。


以上、利き足・軸足の見分け方考察でした。

4スタンス理論にはこういう話が出てこないわけですが、ボクシングを分析するうえでこれも欠かせない要素だな、と日々強く感じている次第です。

こんにちは。ミラノです。

既に生ける伝説と化したGGGですが、彼の全盛期は本当に誰が勝てるんだと感嘆の声が上がるものでした(要出典)。

そんな彼のボクシングを引き継げそうな選手を見つけたので、紹介しましょう。


🥊キャンベル・ハットン

コアな方なら大いなる疑問符を頭に浮かべたことでしょう。ライトな方なら誰だそいつと思ったことでしょう。

彼こそはかつてのイギリスのスーパースター、リッキー・ハットンの息子。

ぶっちゃけデビュー当初はいろいろ問題ありで、この先親父のようにトップ戦線へ駆け上がるとは思えない出来でした。

しかし、先日のビボルvsラミレスのアンダーでは素晴らしいパフォーマンスを披露しました。


なぜ彼がGGGのファイトスタイルを引き継げるのか。今回はそれを4スタンス理論含め独自にプレゼンする回です。

HattonStance


GGGstance

ハットン、GGG共に4スタンス理論上はB2タイプに該当します。基本姿勢においては右足底、右股関節、首付け根前面を軸ポイントとし、これらを一直線上に揃えます。

ジャブを見てみましょう。

HattonJab1

左足に体重を落とし込みつつ、右肩を背中側へ引っ張り上げることで疑似的に右股関節-左肩間で体幹を圧縮します。

ただ、これについてはGGG(全盛期)の場合、

GGGJab1

より勢いよく右肩を引っ張り上げ、上半身からの出力を活かしてジャブを伸ばします。同じように左足へ体重が落とし込まれるのですが、ほとんど宙に浮いた状態となっていることからも、改めてGGGの体幹の高い能力には驚かされますね。

別の角度から見てみましょう。


HattonJab2


GGGJab2

ここでもGGGはハットンと比較してより深く左肩を押し込んでジャブを打ち出しているのが分かります。
ただ、全体的な姿勢としてはほぼ同じですよね。肘はBタイプにおける可動ポイントということもあり、積極的に動かすことによって全身の連動を補助します。

また、ここでも左足を水色の円で囲っていますが、察しの良い方ならもうおわかりでしょう。
GGGとハットンはどちらも左足が利き足です。


これは多少僕の独自見解を含みますが、ボクシングは4スタンス理論だけでなく利き足によってもアクションに影響を及ぼすようです。
同じオーソドックスでも利き足が異なることによって、パンチのベクトルやディフェンスの傾向などが変化するといった具合です。


HattonRight


GGGRight

右を見てみると、二人ともしっかり左股関節-右肩間で体幹を圧縮させているのが分かります。
また、Bタイプなので回転扉の如く上体の芯を回すことで全身運動を実現させています。

利き足に関連することですが、研究していて一つ気づいたことがあります。
あらゆる人間には4スタンス理論に関連してある種のパワーラインがあるということです。

GGGとハットンであれば、それは左足-左股関節-右肩間で成立しています。
重心は基本的に利き足に偏るので、動作の根っこは左足にある。そして、体幹の動作は左股関節-右肩の圧縮を基準とする。
分かりにくい説明で申し訳ないですが、次の左ボディで何が言いたいのか頑張って解説します。

HattonBody

ここでのハットンの左ボディは右足底、右股関節、首付け根前面で軸を形成し、右肘と左膝を積極的に動かすことで体幹を回転させています。
注目してほしいのが、利き足はつま先、反対に軸足はかかとを活用しているという点です。
正直理由はよく分からないですが、利き足はつま先、軸足はかかとを地面につけることでそれぞれの役割を果たしやすくなるようです。こういうのも勉強したら理由が分かるのかな…?

一方で、こんな打ち方もあるようです。

GGGBody

人によってはもう何回見たか分からないであろうマックリン戦のKOパンチとなったGGGのレバーブロー。
ここでは右足がキャンバスから離れてしまっていますが、その代わりに左足底、左股関節、右肩を揃えることで軸を作り、右肩を背中側に引っ張ることで体幹の回転を実現させています。

この軸、先ほど紹介した「パワーライン」と全く同じやつなんですよね。
ハットンの左ボディは(一見分かりづらいですが)4スタンス理論的には右股関節-左肩間で体幹を圧縮することによって力を伝えています。
これに対しGGGは、右肩を背中側へ引っ張ることで、疑似的に右股関節-左肩間での体幹圧縮を実現させているようなのです。
これが出来るのも、4スタンス理論上の軸と「パワーライン」が一致しているからではないかと、僕は考えています。


なんか書いてたらGGGとハットンの相違点みたいになってしまいました。
繰り返しになりますが、GGGとハットンはB2タイプ、利き足が左であるという2つの点で共通しています。
あと体型も少し似ているかな?

ハットンはまだまだこれからの選手なので、GGGのようになれるという期待は重すぎるかもしれませんが、それでも先日の良いパフォーマンスを見ると、ワクワクせずにはいられないんですよね。
「B2利き足左オーソドックスマスター」といえるGGGを目指せる条件を満たす。そして、今まさに急成長中。いや、そりゃワクワクしますって。

検証していて改めてGGGってエグいボクサーだなと思わされましたが、もう新しい世代はすぐそこまで来ている。
ハットンには今のアグレッシブな戦い方を更に高めて、いずれカザフの雷鳴に匹敵する「ハリケーン」となってほしいものです。

僕はキャンベル・ハットンを全力で推しますよ、えぇ。


それでは!

【参考動画】
ハットン(ビボルvsラミレス前座)

GGGvsマックリン

GGGvsロサド

こんにちは。相変わらず絶望的な更新頻度で申し訳なさを感じています。

フォロワーさんからマーロン・スターリング、マーク・ブリーランド、ロイド・ハニガンについて確認してほしいという連絡がありまして。
彼ら三人はいずれもB1という予想でしたが僕の目から見ても多分合ってるということで、データベースに追加させていただいたわけですが。

曰く、マーロン・スターリングは他二人と比べて異質なものを感じるとか。
あらま、じゃあ本格的に観ていこうじゃない、ということで改めて検証した結果。

スターリングはA2でした…
そして観ていて似たような動きをしていたなぁと思い浮かんだのが、アズマー・ネルソン

ということで、下記備忘録になります。いや上も備忘録か。

(参考動画)
◆マーロン・スターリングvsロイド・ハニガン


◆アズマー・ネルソンvsジェフ・フェネック第2戦


まずはスターリングから。

右側の緑線は首付け根背面から奥足底までのB1を想定した線、左側はみぞおち背面から前足底までのA2を想定した線になります。
B1の線は途中で経由するべき右股関節が逸脱しているので、B1には高確率で該当しないと思われます。
逆にA2の線はドンピシャです。
starlingbasic

starlinglefthook

手書きの汚らしい矢印が入っていて申し訳ないです(元々は別のネタで使うつもりでした…)。
左フックを放つ時の様子ですが、Aタイプはほぼ例外なく打つ腕とは反対側の足で軸を形成します。
なので右足底、右膝背面、みぞおち背面を結んでみたわけですが、ばっちり線分が成立しました。


starlingrighthand

ストレートも問題なさそうです。ここでもB1を想定した軸を引いてみましたが、結局右股関節は線分上に乗りませんでした。


では、ネルソンを観ていきましょう。


nelsonbasic

せっかくなので同じようにB1とA2を想定した線分を引いてみました。やっぱり右股関節が乗らないですね。


nelsonlefthook
nelsonrighthand

左フック、右ストレートも同様でした。

nelsonrighthand2

右ストレートを別角度から。結果は変わらず。


まあ、静止画だけ観ていても分かりにくいとは思うので、同時視聴できる環境の方はぜひ上記の動画を見比べてみてください。結構似てると感じるはずです。

これは余談ですが、AタイプとBタイプでは下の画像のように全身での弧の描き方に違いが表れる印象があります。

b-acompare

Bタイプ(左側、ロイド・ハニガン)は奥足から首元にかけて、Aタイプは前足から首元にかけて、という感じで。
うまく言語化できません、はい。与太話と思って忘れてください。

こういう感じの記事を量産すればいいのかな?
相変わらずこのブログの方向性が定まりません笑

それでは~

※追記:やっぱりバークレーはA1でした。詳しくはYouTubeで動画解説します。


こんにちは、ミラノです。

9か月ぶりの更新で文章の書き方とか完全に忘れてしまったわけですが、いい加減放置しすぎも良くないし最近動画作るのめんどくさくなってきてるので、気晴らしにつらつら書いてみようと思います。

だいぶ前にアイラン・バークレーやエドゥアルド・トロヤノフスキーといった選手を取り上げては「これはA1だ!」とほざいていた僕ですが、すいません。

バークレーはB1、トロヤノフスキーはB2でした。

なんというか…昔の自分がどれだけいい加減だったか思い知らされて、僕が一番ショックを受けている次第です(笑)




※アイラン・バークレー:80~90年代に活躍した、アメリカの三階級制覇王者。元WBC世界ミドル級、IBF世界スーパーミドル級、WBA世界ライトヘビー級王座を獲得。トーマス・ハーンズを二度下し、ロベルト・デュラン、ジェームス・トニー、ナイジェル・ベン等往年の名選手たちと対戦。



※エドゥアルド・トロヤノフスキー:ロシア中南部オムスク出身の元IBF世界スーパーライト級王者。キックボクシング経験者でもある。2016年に小原佳太と対戦(2回KO勝利)。


なんで今更修正したのかについてですが、今月になって「支持足」の考え方を取り入れるようになったことで、分析精度が大きく向上したことがきっかけです(詳しくはYouTubeの動画をご参照ください。ひょっとするとブログ記事化するかも)。

延べ700名以上のボクサーを分析してきたわけですが、中には最後に見たのが1年以上前という選手も少なくありません。改めて見直してみようと思ったら、この体たらくですよ。

大規模修正は今後も続いていく可能性は高いです。あと5年経ったらほぼ全員変わってるかもしれません(笑)

そんなんじゃ精度もクソもないので、少なくともメイやパッキャオといった誰もが知ってる選手については間違っていないことを願うばかりです。

あと、トロヤノフスキーについては「A1はキックボクサー向き?」という記事で取り上げましたが、確かにキックボクシングにはA1タイプの選手が比較的多い印象です。でもそれほど極端にA1ばかりというわけでもなく、世の中いろんな選手がいることをここ2年くらいで思い知らされています。


うん、これぐらいの文章量だったらもう少しペース上げて書けそう。

ということを、一年くらい前も思っていた気がします。「継続は力なり」?いいえ、「継続はカなりめんどい」です(引用元:Twitterに載ってた画像)。

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