以下、僕の素人実況です。
【試合展開】
〈1回〉
グヴォジクが立ち上がりから過去最高にキレる動きで先手に出る。ベテルビエフはブロック主体で攻撃を受け止め、右回りのグヴォジクをリング中央からプレス。
グヴォジクは右ボディストレートを積極的に打ち込み、ベテルビエフに踏み込む余地を与えず、得意の右カウンターの機会を伺う。
〈2回〉
ベテルビエフの左右フックがガード越しながら当たるようになると、グヴォジクは左右のフットワークを抑えてカウンター合戦に突入。お互いがお互いの実力を充分に理解したうえでの非常に高度な打ち合いが展開された。
〈3回〉
ベテルビエフのジャブの打ち終わりにパンチをまとめるグヴォジク、感覚をつかんだかに見えたが、ベテルビエフは右アッパーに加えてバックギアを展開、カウンターボクシングに切り替えてグヴォジクにリズムを掴ませない。逆に遠い距離から追いかけるように踏み込んで右ボディストレートを返す。
〈4回〉
ベテルビエフによる最小限のスウェーバックやパリングでのディフェンスが機能する。グヴォジクは打ち終わりを狙った遠い距離からの直線的なパンチで攻撃の機会を増やすが、ベテルビエフのプレッシャーにやや押されているか。ジャブの被弾も少し目立ち、いつも以上に体力を使わされている印象。
〈5回〉
ガードを下げ、やや奥脚重心で受け身の姿勢をとるベテルビエフ。グヴォジクは2-1-2やいきなりの右などを使い分ける。お互いが右を当てるために高度な駆け引きを展開。まさにチェスマッチ。
〈6回〉
軽い右のヒットは序盤から散見されるが、打たれても打ち返すグヴォジクが手数で上回っている。が、ボディが効いているのもグヴォジクだろうか。グヴォジクからクリンチするシーンが少しずつ見られるようになる。
残り20秒、右と右の相打ちで一瞬ベテルビエフの動きが止まる。ここぞとばかりにパンチをまとめたグヴォジクがベテルビエフの首を跳ね上げたが、怒涛の脚力でロープ際まで押し込むと、初回と同じようにグヴォジクをスリップさせた。
〈7回〉
クリンチが増えてきたグヴォジク。ベテルビエフは左右に動き、ジャブの差し合いに持ち込んでペースを渡さない。そしてグヴォジクによる左右の動きが減ったところを素早く潜り込んで左ボディ→左フック。
〈8回〉
やや距離が近い展開。グヴォジクはやや窮屈そうで、クリンチからプッシングで突き放すシーンも。
先に右を好打したのはグヴォジクだったが、有利な状況は長く続かない。ラウンド終盤にまたも右の相打ち。
〈9回〉
序盤に左ボディジャブを出すと手を振ってリアクションしたグヴォジクを見て、すぐさまボディを狙うベテルビエフ。グヴォジクの打ち終わり狙いもブロッキングで封じ、徐々にベテルビエフが積極的に前に出るようになる。
コンパクト且つ強烈なボディ攻撃を受け、クリンチでしのいでいたグヴォジクだったが、インサイドでのアッパー、フックに対応できず、背も曲がり始めた。口が開き、非常に苦しそう。ベテルビエフへ完全に試合が傾いた。
〈10回〉
左右のフットワークが失われたグヴォジク、真っ直ぐ下がったところへ右オーバーを被弾。覚悟を決めてリング中央で打ちあうものの、ベテルビエフが要所で細かくも硬いパンチをまとめ、ついに膝をついた。
ベテルビエフはストレート、フック、アッパーをフルに展開してグヴォジクに防御の姿勢を取らせない。
3度目のダウンでレフェリーが試合を止めた。
KOタイム10ラウンド2分49秒、ベテルビエフは満面の笑みでグリーンベルトを掲げた。
…
ここ2戦は無理に前進するシーンが目立ち、やや冷静さを欠く戦い方だったベテルビエフでしたが、今日ばかりは少しも油断できない強敵とあって、いつもの冷徹なボクシングに終始しました。ホッとしてます。
抜群のタイミングで両者右を決めるのですが、さすがライトヘビー級最高峰、2発や3発では効いたそぶりも見せません。勝負を分けたのは試合をひっくり返せるようなビッグパンチではありませんでした。個人的にはそこが予想と違う展開だったけど、そうだよね。この二人、駆け引きでもハイレベルだもの。
スタッツを見る限り、試合を左右するほぼ全ての要素においてベテルビエフが上回っていたといえるでしょう。末恐ろしい…。
ベテルビエフの太い腕によるブロッキングは終盤まで堅く、ヘッドムーブメントが少ない分がっつり被弾するシーンもたまにありましたが、手応えを与えない堅実さが精神的なプレッシャーをグヴォジクにかけたと思われます。勢いに乗らせない強かさは実に見事でした。
そしてボディの耐久力。グヴォジクの右ボディストレートはよくヒットし、確かに脇腹は紅潮していましたが、まったく意に介することなく試合を進めるのでした。
受け身のボクシングでも能動的に戦っていると感じるほどの冷静さもさることながら、驚異的なのは今ではあまり使われないスウェーバック、被せるような右クロスをすんなり活用できる身体能力の高さです。
晴れて統一王者となったベテルビエフですが、今後はどうするのでしょう?アラムはきっとコバレフを呼び戻して更なる決戦を組ませたいでしょう。
カネロの挑戦の結果如何で、大きくマッチメイクの展開も変わりそうです。
世間はそのコバレフvsカネロが最も注目されているのだと思いますが、カネロがもしコバレフに勝利し、それでもなお究極の挑戦を望むのであれば、この怪物に挑むのも悪くないかもしれません。
あまりにもデンジャラスではありますが…。
【試合展開】
〈1回〉
グヴォジクが立ち上がりから過去最高にキレる動きで先手に出る。ベテルビエフはブロック主体で攻撃を受け止め、右回りのグヴォジクをリング中央からプレス。
グヴォジクは右ボディストレートを積極的に打ち込み、ベテルビエフに踏み込む余地を与えず、得意の右カウンターの機会を伺う。
〈2回〉
ベテルビエフの左右フックがガード越しながら当たるようになると、グヴォジクは左右のフットワークを抑えてカウンター合戦に突入。お互いがお互いの実力を充分に理解したうえでの非常に高度な打ち合いが展開された。
〈3回〉
ベテルビエフのジャブの打ち終わりにパンチをまとめるグヴォジク、感覚をつかんだかに見えたが、ベテルビエフは右アッパーに加えてバックギアを展開、カウンターボクシングに切り替えてグヴォジクにリズムを掴ませない。逆に遠い距離から追いかけるように踏み込んで右ボディストレートを返す。
〈4回〉
ベテルビエフによる最小限のスウェーバックやパリングでのディフェンスが機能する。グヴォジクは打ち終わりを狙った遠い距離からの直線的なパンチで攻撃の機会を増やすが、ベテルビエフのプレッシャーにやや押されているか。ジャブの被弾も少し目立ち、いつも以上に体力を使わされている印象。
〈5回〉
ガードを下げ、やや奥脚重心で受け身の姿勢をとるベテルビエフ。グヴォジクは2-1-2やいきなりの右などを使い分ける。お互いが右を当てるために高度な駆け引きを展開。まさにチェスマッチ。
〈6回〉
軽い右のヒットは序盤から散見されるが、打たれても打ち返すグヴォジクが手数で上回っている。が、ボディが効いているのもグヴォジクだろうか。グヴォジクからクリンチするシーンが少しずつ見られるようになる。
残り20秒、右と右の相打ちで一瞬ベテルビエフの動きが止まる。ここぞとばかりにパンチをまとめたグヴォジクがベテルビエフの首を跳ね上げたが、怒涛の脚力でロープ際まで押し込むと、初回と同じようにグヴォジクをスリップさせた。
〈7回〉
クリンチが増えてきたグヴォジク。ベテルビエフは左右に動き、ジャブの差し合いに持ち込んでペースを渡さない。そしてグヴォジクによる左右の動きが減ったところを素早く潜り込んで左ボディ→左フック。
〈8回〉
やや距離が近い展開。グヴォジクはやや窮屈そうで、クリンチからプッシングで突き放すシーンも。
先に右を好打したのはグヴォジクだったが、有利な状況は長く続かない。ラウンド終盤にまたも右の相打ち。
〈9回〉
序盤に左ボディジャブを出すと手を振ってリアクションしたグヴォジクを見て、すぐさまボディを狙うベテルビエフ。グヴォジクの打ち終わり狙いもブロッキングで封じ、徐々にベテルビエフが積極的に前に出るようになる。
コンパクト且つ強烈なボディ攻撃を受け、クリンチでしのいでいたグヴォジクだったが、インサイドでのアッパー、フックに対応できず、背も曲がり始めた。口が開き、非常に苦しそう。ベテルビエフへ完全に試合が傾いた。
〈10回〉
左右のフットワークが失われたグヴォジク、真っ直ぐ下がったところへ右オーバーを被弾。覚悟を決めてリング中央で打ちあうものの、ベテルビエフが要所で細かくも硬いパンチをまとめ、ついに膝をついた。
ベテルビエフはストレート、フック、アッパーをフルに展開してグヴォジクに防御の姿勢を取らせない。
3度目のダウンでレフェリーが試合を止めた。
KOタイム10ラウンド2分49秒、ベテルビエフは満面の笑みでグリーンベルトを掲げた。
…
ここ2戦は無理に前進するシーンが目立ち、やや冷静さを欠く戦い方だったベテルビエフでしたが、今日ばかりは少しも油断できない強敵とあって、いつもの冷徹なボクシングに終始しました。ホッとしてます。
抜群のタイミングで両者右を決めるのですが、さすがライトヘビー級最高峰、2発や3発では効いたそぶりも見せません。勝負を分けたのは試合をひっくり返せるようなビッグパンチではありませんでした。個人的にはそこが予想と違う展開だったけど、そうだよね。この二人、駆け引きでもハイレベルだもの。
スタッツを見る限り、試合を左右するほぼ全ての要素においてベテルビエフが上回っていたといえるでしょう。末恐ろしい…。
ベテルビエフの太い腕によるブロッキングは終盤まで堅く、ヘッドムーブメントが少ない分がっつり被弾するシーンもたまにありましたが、手応えを与えない堅実さが精神的なプレッシャーをグヴォジクにかけたと思われます。勢いに乗らせない強かさは実に見事でした。
そしてボディの耐久力。グヴォジクの右ボディストレートはよくヒットし、確かに脇腹は紅潮していましたが、まったく意に介することなく試合を進めるのでした。
受け身のボクシングでも能動的に戦っていると感じるほどの冷静さもさることながら、驚異的なのは今ではあまり使われないスウェーバック、被せるような右クロスをすんなり活用できる身体能力の高さです。
晴れて統一王者となったベテルビエフですが、今後はどうするのでしょう?アラムはきっとコバレフを呼び戻して更なる決戦を組ませたいでしょう。
カネロの挑戦の結果如何で、大きくマッチメイクの展開も変わりそうです。
世間はそのコバレフvsカネロが最も注目されているのだと思いますが、カネロがもしコバレフに勝利し、それでもなお究極の挑戦を望むのであれば、この怪物に挑むのも悪くないかもしれません。
あまりにもデンジャラスではありますが…。